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800万円の壁 | 法人税等の増加分の出し方

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前回、個人で投資用の不動産を取得する場合は、「所得が何円増えたら、税金は何円増えるか」という所得税の増加分で考える必要があるというお話をしました。

法人税の場合においても税金の増加分で考えるべきなのは同様です。
ただ、法人の場合は個人よりはシンプルです。

法人税等の税率

法人が稼得した所得には、法人税以外にも法人の住民税や事業税もかかります。

法人の税金はこれらをすべて考慮しないとならないのですが、毎回「法人税、住民税、事業税」と呼ぶのは煩雑なので、これらすべて合わせたものを「法人税」と呼びます。

資本金1億円未満の中小企業に対する法人税等の実効税率は

  • 所得400万までは 21.36%
  • 所得400万~800万までの範囲は 23.17%
  • 所得800万超は 33.58%

となります。
(令和3年12月現在、東京都特別区(23区)にある法人の場合)

自治体ごとに法人住民税の税率が微妙に異なるので、「東京都特別区の場合」としていますが東京以外であっても大差はありません。

また、「所得が2,500万円超または売上が2億超」になると事業税の税率が、「法人税額が1,000万円超」になると住民税の税率が上がるので実効税率も変わりますが、2つ合わせても1%程度の増加なので、ここでは省略します。

この他、さらに法人税住民税の均等割7万円が固定でかかります。
(資本金1,000万円以下の場合)

法人の課税所得が1,000万円の場合の法人税等の額は

所得400万まで400万円× 21.36%=85.44 万円
所得400万~800万までの範囲400万円× 23.17% =92.68 万円
所得800万超200万円× 33.58% =67.16 万円
     (均等割) 7 万円
合計252.28 万円

となります。

法人税等の概算の出し方が所得税よりシンプルになる理由は
所得税と違って所得控除がない(厳密にはありますが、所得税ほど適用できる種類が多くない)
累進課税の段階が少ない(3段階しかない)
社会保険料のことを考えないでよい

等の要素により、税額の計算が楽になるためです。

法人税等の増加分求め方
「法人と個人、どっちで取得したほうが税金が安くなる?」という問いに対して、計算方法も累進課税の段階も全く違う、所得税と法人税を税率で比較しても意味はありません。

所得税の増加分法人税等の増加分を比較してどちらの方が安いかで比較する必要があります。(なお、個人は所得税以外にも個人の住民税や事業税等への影響も考慮する必要があります)

取得する物件の家賃収入から、管理費、空室募集の仲介手数料、固定資産税などの経費を控除した純収益(これをNOIといいます)から、更に減価償却費と支払利子を控除した金額が、その物件を取得することで増加する所得となります。


その増加する所得金額に上記の税率をかけるだけで法人税等の増加分を計算することができます。

法人税等の増加分の具体例

具体的に、収益物件を取得して所得が300万円増加する場合、法人税等は何円増えるかを確認してきます。

①設立したばかりで所得がまだゼロの法人の場合
収益物件を取得することで所得がゼロから300万円に増えるので、所得400万円以下の範囲の税率である21.36% で課税されて、

300万円×21.36%=64.08 万円法人税等の増加分となります。

②収益物件を複数所有しており既に法人の所得が800万円を超えている場合
収益物件を取得することで増える所得については、所得800万円超の税率である 33.58% で課税され、

300万円×33.58%=100.74 万円法人税等の増加分となります。

③その増加する所得が800万の境目をまたがっている場合
「400万~800万の範囲に入る所得額×23.17%」と「800万円超の部分に入る所得額× 33.58%で計算した税額」を足すことで税額を求められます。

なお、税率が安いからといって法人で取得しても、その利益を個人に給与で支給して高額の所得税が課されてしまっては意味がありませんので、法人で取得することを選んだ場合は、法人で貯めた利益を個人に移す手段の検討も必要になります。

法人所得800万の壁を理解する
同じ300万円の所得が増加するのでも、①の場合の税額は64.08万円、②の場合は100.74万円と36万円も違いますね。法人では所得800万円を超えたところから税率が大幅にアップするのです。

800万円以下の税額が低い部分を有効活用する」ということが節税対策上、重要になってきます。

次回からはこの方法について詳しく説明していきます。

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(「数年後に差がつく減価償却 |減価償却で税をコントロール 」に続く)